1874年、アメリカのA.T.スティルによって創始された医学。
主に手技によって、骨格・筋・筋膜・内臓・頭蓋の機能を改善して、生体恒常性(自然治癒力)を高める治療法です。
一般にカイロプラクティックや整体と言われていますが、本来はオステオパシーの独自のテクニックです。
「ずれている骨を真っ直ぐにする」よく耳にする言葉ですが、実際は少し違います。例えば右に曲がらない関節があるとします。それを小さな振幅で瞬間的に右に曲げる様に矯正します。つまり背骨が曲がっているように見えても,関節としての動きがあれば治療する必要ありません。
一般にこれがオステオパシーと思われていますが,間接法はオステオパシーのテクニックの一つにすぎません。
これはスラストとは逆に右に曲がらない関節を左に曲げて保持しておく。すると関節包や靭帯が緩み右に曲がるようになってきます。
脊柱や四肢関節の制限を患者自身の筋収縮を利用して改善する治療法。
スラスト、カウンターストレインの向かない人に有効。
筋肉や靭帯は関節の動く早さに付いていけなくなると,関節が壊れてしまうと言う信号を送りつづけます。このような状態になると関節は一定の角度に固定されて,それを逸脱すると痛みとなって症状が出現します。これを改善するには関連する圧痛点を探し、その圧痛点が緩む位置に問題となっている関節を90秒程保持します。
人間の神経は、脳脊髄膜によって保護され、その膜は脳脊髄液に満たされています。神経は脳脊髄液の循環によって活動することができます。C・S・Tでは、頭蓋骨と仙骨を介して脳脊髄膜の緊張を取り除き、脳脊髄液の循環を回復・増進します。頭蓋仙骨システムは筋骨格系、内臓系、心理領域と密接な繋がりを持っているので、このシステムの問題は全身的な影響に発展します。この治療法が心理領域との関わりで体性感情解放(SER)に発展しました。
内臓は、体に筋膜・間膜でつながっており、臓器同志も筋膜・間膜によってつながっています。この間膜が緊張して内臓の動きが阻害されると、内臓が持つ機能は減退します。又、内臓自身が臍を中心とした往復運動をしています。これが減退するとやはり機能に影響します。
内臓マニピュレーションではこの2つの問題を改善するために治療します。さらに内臓は靭帯、間膜を介して必ず骨格のどこかと接続していますので、多くは骨格の歪みを引き起こします。
構造とエネルギーの統合を目的として、骨格からアプローチします。肉体のみならず感情を含めた、人間の全てを変化させる機会を患者さんと共に構築してゆきます。
全身の構造を相互に関係付けているのは筋膜(筋肉を包んでいる膜・靭帯・関節包)であるとオステオパシーでは考えられています。この筋膜システムを穏やかな力で解放してゆくテクニックであり、A.Tスティルが初めてオステオパシーとして認識した古典的テクニックでもあります。直接的アプローチと間接的アプローチがあります。
人間を体液の統合体と捉えて、体液の流動性に問題がある部分をバランスします。
発生学的視点を視野に入れて、人間の中心軸を重要視しながら、体液をバランスする。頭蓋仙骨療法から派生した治療法ですが頭蓋骨、頭蓋脊髄膜を視野に入れつつ、さらに脳脊髄液や血液、リンパ液、組織液という区分を越えて体液全体として治療します。当院ではエネルギー的な問題に対しても、この治療法を使用します。